1.AngiogeninとVEGFの発現レベルが共に高い口腔扁平上皮癌細胞株HSC-2細胞に加え、angiogeninとVEGFの発現レベルが共に低いSCCKN細胞にangiogenin siRNA発現プラスミドDNAの遺伝子導入を行い、ピューロマイシンで選択後、angiogenin RNAi stable transfectantを作製した。 2.両細胞のangiogenin RNAi stable transfectantにおけるangiogeninの発現レベルを、RNAと蛋白レベルで測定した結果、angiogenin RNAi stable transfectantはcontrol vector transfectantに比べ、いずれも著明にangiogeninのレベルは下がっており、RNAiが機能していることを確認した。 3.HSC-2およびSCCKN細胞から得られたangiogenin RNAi transfectantのin vitroでの細胞数を経時的に測定したところ、angiogenin RNAi transfectantでは細胞数が有意に減少していた。この現象は、HSC-2細胞に著明に認められたことから、口腔扁平上皮癌ではangiogeninを高発現している方が、RNAiにより細胞の増殖抑制を強く受けることが示唆された。 4.HSC-2細胞においては、RNAiによりangiogeninの発現レベルを抑制することにより、上清中に分泌されるVEGFの量は有意に増加することが確認された。
|