研究課題/領域番号 |
18592225
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉村 善隆 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30230816)
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研究分担者 |
小口 春久 北海道大学, 名誉教授 (30124689)
土門 卓文 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50217618)
出山 義昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (80271667)
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キーワード | 破骨細胞 / 歯根吸収 / 乳歯 |
研究概要 |
本年度は、CD4陽性T細胞を分離後、インターロイキン(IL)-12刺激でTh1細胞へ、IL-4刺激でTh2細胞へ、IL-23刺激でTh17細胞へそれぞれ分化させ、これらそれぞれと、RANKL存在下で歯根膜由来細胞とCD14陽性細胞との共存培養を行い、破骨細胞分化に対する影響を検索した。 Th1細胞との共存培養においては、CD14陽性細胞から破骨細胞への分化を抑制した。これはTh1細胞が産生するインターフェロン-γ(IFN-γ)が破骨細胞への分化を抑制するものであった。Th1細胞非存在下での共存培養において、IFN-γを添加により破骨細胞への分化が抑制された結果からも裏付けられた。 また、Th2細胞との共存培養においても、破骨細胞への分化は抑制された。これはTh2細胞の産生するIL-4が破骨細胞への分化を抑制したと考えられた。しかし、Th2細胞非存在下での共存培養において、IL-4の添加により破骨細胞への分化が抑制されたことから、Th2細胞への分化に必要なIL-4によって破骨細胞への分化が抑制されることも考えられ、Th2細胞の関与は今後の検討が必要となった。 Th17細胞との共存培養においては、破骨細胞へ分化した。これはTh17細胞が発現するRANKLによるものなのか、Th17細胞の産生するIL-17が歯根膜由来細胞に作用することによりRANKL発現を増加させるものなのか、明確にすることができなかったので、次年度に詳細を検索する。 また、この研究の一環として、単球系細胞のみを用いた破骨細胞分化に対する伸展刺激負荷の影響も検索した。伸展刺激負荷によって、破骨細胞分化は抑制され、破骨細胞の融合および巨大化も抑制した。これはNFATの発現を抑制しなかったことから、その下流で抑制されていると思われ、次年度に詳細を検索する。
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