研究課題/領域番号 |
18592248
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山崎 幸之助 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員研究員 (40363650)
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研究分担者 |
宮脇 正一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
原田 秀逸 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60128452)
樋口 逸郎 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80183573)
永田 順子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50264429)
吉田 礼子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60244258)
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キーワード | 筋疲労 / 筋損傷 / 刺激 / 咀嚼筋 / 適応変化 / 筋電図 |
研究概要 |
本研究は、異なる過剰活動によって咀嚼筋を疲労、損傷させ、その後適応する筋収縮と適応しない筋収縮を明らかにすることを目的とするものである。7週齢の雄のラットを用い,負荷群では麻酔下でラットの上下切歯にスプリングを固定し、閉口時に抵抗を発生するように調整した。なお、スプリングの脱離を防ぐため、頚部にプロテクトシールドを装着した。スプリング装着の有無による筋活動の違いを筋電図で調べた。負荷開始1,3,7日後に屠殺、咬筋および、ヒラメ筋・腓腹筋の凍結標本を作製し,酵素染色(HE染色、酸フォスファターゼ染色、チトクロームcオキシダーゼ染色、ATP-ase染色)および、免疫組織化学染色(HSP27抗体染色、HSP70抗体染色、Dystrophin抗体染色、Dyspherlin抗体染色)を行った。コントロール群およびプロテクトシールドのみを装着した群においても、同様に組織学的検索を行った。 その結果、負荷群では、コントロール群に比べて頻繁な咬筋の過活動を認めた。また、咬筋組織の一部にネクローシスとそれに伴う細胞浸潤と細胞膜の変化、およびその周囲の細胞にヒートショックプロテイン(HSP)27の発現を認めた。負荷時間により、筋組織の変化の見られる範囲が大きくなる傾向が見られた。ヒラメ筋・腓腹筋では、両群とも変化は認められなかった。アクチンの重合を阻止することが指摘されているHSP27は、筋肉へのさまざまなストレスに対し、細胞死を防いでいると考えられており、スプリングの装着によってラットの意識下で咬筋の過活動が誘発され、筋組織は損傷するが、これと同時に筋細胞内においては、過剰活動に対するストレス応答が発現していることが示唆された。
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