研究課題
基盤研究(C)
本研究はピロリ菌の有無が歯周病や口臭を含む全身の健康リスクに及ぼす影響を明らかにする事を目的とした。鹿児島大学病院歯科に通院中の成人患者105名(25〜78歳)について、QUEST問診票とFスケール問診票を用いて胃食道酸逆流症(GERD)の定型症状を調べGERD陽性・陰性群の2群に分け、全身および口腔症状の有無を統計学的に比較した。その結果、QUEST問診票あるいはFスケール問診票でGERD陽性と判定された者は全体の25.7%であった。GERD陽性患者では、陰性群に比べて、全身の疾患や症状では昼間・夜間の咳き込み等の呼吸器の症状、背部痛、手足の先の痛み・しびれ、泌尿器科症状、身体全体の症状、頭痛が有意に多かった。睡眠障害も有意に多く、主観的QOLでは、身体的領域、社会的領域、QOL平均においてQOLが有意に低かった。以上から、GERDはいままで報告されている非定型症状以外に口腔疾患とも重要な関連のあることが示唆された。次に、GERD陽性患者8名とGERD陰性患者8名について、胃内ピロリ菌感染検査・診断と胃および食道内pHモニタリングを併用したPSG検査を実施し、解析を行った。その結果、ブラキシズムは食道内pHの低下時に出現することの多いことが確認された。また食道内pHの低下の見られない場合でも胃内pHの上昇が認められることが多かったことから、十二指腸の内容物が胃内へ逆流する現象(Duodenogastro-esophageal renux、DGOR)がブラキシズムの発現に関係していることが示唆された。また、ピロリ菌陽性と診断されたものの中には、GERD陽性と陰性いずれも認められ、ブラキシズム陽性と陰性のいずれも認められた。除菌療法とブラキシズムの関連については、ピロリ菌除菌がブラキシズムの発現頻度に影響を及ぼす可能性が示唆された。また、DGORに対する薬物療法がブラキシズムに及ぼす影響については、今後調査する予定である。これらの結果について現在論文執筆中である。
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