研究課題
基盤研究(C)
我々はRNA干渉法を用いて培養したマウス第一鰓弓におけるBMP2発現を抑制した結果、舌の側溝形成が促進され、MMP11とTIMP1のmRNA発現が抑制されることをすでに報告している。本年度は、さらにBMP2の発現抑制がMMP11、TIMP1、BMP2受容体の分布及びメッケル軟骨の形成に影響するかどうかを検討した。【材料と方法】胎齢10日のICR系マウス胎仔より第一鰓弓を摘出し、無血清化学合成培養液中で8日間培養した。実験群にはBMP2のsiRNAを添加し、対照群には非特異的なsmall RNAを添加した。培養後、組織切片を作成し、MMP11、TIMP1、BMPR-I、BMPR-II、ActR-Iの免疫染色を行った。また、メッケル軟骨を観察するためにホールマウントでアルシアンブルー染色を行った。【結果】対照群の舌側溝の最深部にTIMP1の局在が観察されたが、siRNAで処理した実験群では観察されなかった。MMP11については、その分布に差は認められなかった。調べた全てのBMP2の受容体は舌および側溝の表層に分布が認められたが、実験群と対照群の間でその分布に差は認められなかった。第一鰓弓のサイズは実験群と対照群の間で差はなかったが、左右メッケル軟骨間の距離が近位で約14%狭くなり(p<0.05)、逆に長さは約14%長くなった(p<0.05)。【結論】BMP2はTIMP1の発現を調節することにより舌側溝形成およびメッケル軟骨の形態形成にも関わっている可能性が示唆された。
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