研究課題
我々は昨年度までにマウス胎生期下顎形成にBMP2の果たす役割について検討するために、マウス第一鰓弓を培養しRNA干渉法を用いてBMP2の発現を抑制した。その結果、BMP2の発現抑制により舌の側溝形成が促進されること、BMP2のレセプター(I型、II型、ActR-I)が舌および側溝の表層に存在していることを確認した。また下顎全体をアルシアンブルーで染色したところメッケル軟骨の形態形成にも関わっている可能性についても示唆した。本年度は、さらにTIMP1のmRNA発現とそのBMP2とTIMP1の局在の違いを組織学的に検討した。【材料と方法】胎齢10日のICR系マウス胎仔より第一鰓弓を摘出し、無血清化学合成培養液中で8日間培養した。実験群にはBMP2のSiRNAを添加し、対照群には非特異的なsmall RNAを添加した。培養後、厚さ10μmで凍結切片を作製し、2重酵素抗体法によりBMP2とTIMP1の局在を同一切片上で観察した。さらにTIMP mRNA発現量をReal time PCR法を用いて測定した。【結果】2重酵素抗体法では、対照群で側溝最深部の同一部位にBMP2とTIMP1の発現が観察された。実験群では観察されなかった。またReal time PCRによる解析の結果、TIMP1のmRNA発現量が対照群と比較して実験群では少なかった(ρ<0.05)。【結論】BMP2はTIMP1の発現を調節することによって舌側溝の成長を調節している可能性を示唆した。
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