• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

要介護高齢者における口腔ケアの臨床免疫学的効果

研究課題

研究課題/領域番号 18592275
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

井上 農夫男  北海道大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20091415)

研究分担者 柏崎 晴彦  北海道大学, 北海道大学病院, 助手 (10344516)
武田 宏司  北海道大学, 大学院医学研究科, 助教授 (60261294)
守屋 信吾  北海道大学, 大学院歯学研究科, 助手 (70344520)
キーワード歯学 / 社会医学 / 免疫学 / 老化 / リハビリテーション
研究概要

本研究の目的は,
1)要介護高齢者における口腔細菌に対する免疫能,栄養状態,気道感染症との関連性を明らかにし,
2)さらに口腔ケアがそれらに影響を及ぼすか否かを明らかにすることである.
精神障害(統合失調症)患者は,歯みがきなどのセルフケアの低下による口腔環境の劣悪性が指摘されており,口腔保健の支援が必要とされている.そこで,札幌市内H病院に入院中の統合失調症患者20名について精神症状,免疫能,栄養状態,口腔環境を調査し,口腔ケア介入によりそれらがどのような影響を受けるか検討した.
【方法】
1)まず,全例において精神症状を陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)で,生活障害を精神障害者社会生活評価尺度(LASMI)で評価した.また,口腔清掃状態,口腔乾燥度,口臭などの口腔内評価を行った.さらに,末梢血を用いて,免疫能としてNK活性,栄養状態として血清アルブミン値を測定した.
2)ランダムに口腔ケア施行群10名と対照群10名に分け,以下のような介入研究を行った.
口腔ケア施行群については,月1回の専門的口腔ケアに加え,毎日患者自身による口腔ケアを行った.
対照群については従来行われていたケアのみを行った.
3)3ヶ月間の口腔ケア介入後に,1)について再評価した.
【結果】精神症状,免疫能(NK活性),栄養状態(血清アルブミン値)については口腔ケア施行群と対照群との間に有意差はみられなかった.口腔環境については,対照群に比べて口腔ケア施行群でハリメーターによる口臭平均値が有意に減少した(p<0.05,Mann-Whitney U test).
【考察】統合失調症患者に対する3ヶ月間の口腔ケア介入は精神症状,免疫能,栄養状態にほとんど影響を与えなかったが,口臭の有意な改善が認められた.このことは,統合失調症患者の積極的な社会活動参加に向け,口腔ケアがプラスに作用する可能性があることを示唆している.

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi