研究概要 |
本研究の目的 本研究は将来的な目標を,限られた社会資本である地域の障害者専門歯科医療機関,障害者受け入れ可能な一般歯科診療所を効率的に活用するシステムおよびネットワークを構築することとしている,研究期間中に,そのために必要な情報の蓄積と解析として(1)地域の障害者の歯科需要,(2)地域の歯科医療機関の障害者に提供可能なマンパワーと時間,以上2点の現状把握と将来の予測,(3)障害者歯科専門歯科医療機関の診療実績の精査による,障害者の口腔の健康維持・増進に必要な治療・口腔衛生活動の提供量に関するevidenceの作成,以上計3点を研究期間中の目的とする. (1)障害者歯科治療の治療効果および予防効果の評価を行うため,岡山大学医学部・歯学部附属病院の治療記録を精査し,データ収集および解析を行った. その結果の一部について第18回国際障害者歯科学会(スウェーデン・イェーテボリ市),第23回日本障害者歯科医学会(仙台市)において発表を行った.また下記の論文を関連学会雑誌にて発表した. (2)歯科検診内容,アンケートの質問事項の是非について岡山大学内の倫理委員会に審査を請求し承認された.この承認を受けて,以下の(3)-(5)の調査を開始した. (3)地域内の障害者の歯科疾患の実態を把握するため,岡山県内の障害者歯科医療機関,障害者施設,老人ホームでの歯科検診を行い,約180例のデータを得た. (4)地域の障害者や障害者の保護者,介護者等を対象として,口腔衛生活動や歯科受診の実態,歯科医療に対する意識についてのアンケート調査を行い,約120例の回答を得た. (5)地域内の歯科医療機関の障害者受け入れの実態と意識を把握するため,地域内の障害者を対象とした歯科医療機関病院歯科,一般歯科医療機関を対象としたアンケート調査を行い,約40例の返答を得た.
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