研究課題
基盤研究(C)
初年度に分子量マーカの改良や二色蛍光標識の導入などによる精度向上に成功したが、二年目はその方法を踏まえ、多サンプルの一括解析とT-RFLP解析へのピークに対する重み付けの導入などを行い、さらに口臭診断への応用などを行った。16SrRNA遺伝子をPCRで増幅する際に両端を異なる蛍光色素で標識しておくと、同一断片から制限酵素切断によって生じたT-RFのピーク面積(蛍光強度)は全ピークの中で等しい割合となるはずである。このことから、多サンプル間の各ピークのピーク面積の相関を見れば、同一断片に由来するピーク対を推定できると考えられる。この予測に基づき、50〜300サンプルのT-RFLP解析をまとめて行うプログラムを開発した。その結果、200ほどもあるサンプルのT-RFLP解析が10分程度で終了し、各サンプルに含まれる菌種とその割合の推定ができるようになった。このプログラムはインターネットで公開し、研究者が自由に利用できるようにした。これまで、T-RFLP解析において、各ピークデータに何らかの重み付けをして分析するということがなかった。多種多様な菌から構成される菌叢を解析する場合、大きなピークの変動しか解析結果に片影されないということが少なくない。そこで、面積は小さいがその変動がサンプルの特徴づけに有用であるピークの情報を逃さないために、ピーク出現頻度や情報理論のエントロピーに基づく重み付け係数を考案し、各サンプルの菌叢の特徴づけを行った。その応用の一つとして、唾液中の菌のT-RFLP解析データをサポートベクターマシンを利用して分析することで、呼気中メチルメルカプタンの濃度予測が可能かどうかを検証した。その結果、T-RFLP解析データのみから90%以上の効率で口臭に影響のある濃度のメチルメルカプタンの有無を予測できることが判った。
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Oral Microbiology and Immunology 22
ページ: 419-428
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http://myamagu.dent.kyushu-u.ac.jp/bioinformatics/trfclust/index.php