研究課題/領域番号 |
18592282
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山口 泰平 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (80230358)
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研究分担者 |
於保 孝彦 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50160940)
水枝谷 幸恵 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30305148)
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キーワード | 応用微生物 / 感染症 / 細菌 / 生体分子 / 蛋白質 |
研究概要 |
ヒトロ腔常在菌の主成分はレンサ球菌であるが、これらはデンタルカリエス、歯周病の原因だけでなく、心内膜炎、髄膜炎、各種の膿瘍などの全身疾患とも関連している。これまでにインターメディウスレンサ球菌を材料に用いて、感染の成立に重要な付着反応を唾液と関連させて解析してきたところ、唾液中には菌体付着因子の他に付着を阻害する因子が存在することが示唆された。平成18年度に、本物質は唾液中のアルブミンであることを同定し、濃度によって阻害だけでなく、促進する活性を有していることを示した。 平成19年度では、さらに分子レベルでの機構を調べた。菌と唾液凝集素を混合すると凝集するが、アルブミンは阻害を示さなかった。さらに、凝集素を先に固相化して、アルブミンを作用させると、阻害、促進の活性は共に認められなかった。分子内の機能部位を同定するために、ヒト肝臓由来のRNAからアルブミンのバリアントタンパクを精製して効果を調べた。この結果から、第3から第6エクソン領域が活性に重要であることが示された。 今後、本反応の普遍性、臨床応用への基礎研究などが必要だが、口腔常在菌叢をコントロールすることで、抗生物質を使わない感染症の新規予防法を確立することを目指している。 なお、本成果は第56回日本口腔衛生学会総会、第81回日本細菌学会総会で報告した。
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