研究課題/領域番号 |
18592283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
瀬戸口 尚志 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (60206646)
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研究分担者 |
宮脇 正一 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
於保 孝彦 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50160940)
永田 順子 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (50264429)
吉田 礼子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60244258)
坂口 勝義 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (80381185)
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キーワード | 口腔乾燥症 / ブラキシズム / 胃食道酸逆流(GER) / 唾液分泌促進 / 胃酸分泌抑制 / 睡眠障害 / 消化器症状 |
研究概要 |
本研究の目的は口腔乾燥症患者におけるブラキシズムとそれに関連した口腔疾患への新たな治療法の確立を図ることである。そこで下記の項目について検証することとした。 (1)口腔乾燥症患者を対象に、ストレス、ブラキシズムおよび胃食道酸逆流等に関する実態調査を行い、これらと口腔乾燥症との相互関連を明らかにする。 (2)口腔乾燥症患者に対して、唾液分泌促進剤と胃酸分泌抑制剤および偽薬を用いたランダム化二重盲検試験ならびに唾液分泌促進剤等の長期間与薬を行い、これらの薬剤がブラキシズムの発現頻度と口腔疾患および心身の健康の改善に及ぼす効果を明らかにする。以上の研究計画に基づき、まず、鹿児島大学病院歯科に通院中の成人患者105名(25〜78歳)について、口腔乾燥症の症状と程度の調査と関連因子や危険因子(消化器症状、胃食道酸逆流症状、睡眠障害、喫煙、飲酒、睡眠、ストレス、心理特性、精神神経症状、食事の規則性など)についての質問紙調査を行った。 その結果、口腔乾燥を訴える者は全体の25%で、口腔乾燥症状のない者に比べて、胃食道酸逆流症状や睡眠障害、昼間・夜間の咳き込み等の呼吸器の症状、心臓や高血圧などの疾患、背部痛、頭痛、睡眠障害が有意に多く、咬耗や楔状欠損などの頻度も高いことがわかった。主観的QOLでは、身体的領域と社会的領域のQOLが有意に低かった。以上から、口腔乾燥患者では、従来指摘されている咬耗の他に、楔状欠損などの口腔疾患や、全身疾患とも重要な関連のあることが示唆された。この結果の一部は第2回九州矯正歯科学会で報告した。また、口腔乾燥患者5名について、食道内pHモニタリングを併用したPSG検査を実施し、分析中である。今年度は被験者を増やし、分析を進めるとともに、ランダム化二重盲検試験の対象被験者を抽出と二重盲検試験を実施して解析を行う予定である。
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