研究課題
本研究の目的は、口腔乾燥症の患者を対象に、睡眠時のブラキシズムに関連した歯周病や顎関節症、胃食道酸逆流症(GERD)に起因する消化器症状の実態を調べ、それに対する唾液分泌促進剤と胃酸分泌抑制剤の効果を明らかにするためにランダム化二重盲検試験を行い、新たな治療法の確立を図るものである。鹿児島大学病院歯科に通院中の成人患者100名(25〜78歳)に対して、厚生労働省基準に基づく口腔乾燥症症状ならびにQUEST問診票とFスケール問診票を用いたGERDの定型症状を調べた。同時に、GERDの非定型症状、睡眠障害、主観的QOLに関する質問紙調査を行った。また口腔疾患に関して、残存歯数、歯周病、歯の咬耗、楔状欠損、う蝕、顎関節症状について診査した。その結果、口が渇く(59%)、水が飲みたくなる(49%)、乾いた物が飲みづらい(23%)、食べ物が飲み込みづらい(15%)などの典型的口腔乾燥症状が確認された。さらに問診票の結果から、GERDについてGERD陽性と考えられる者を抽出したところ、被験者全体の25.7%が陽性だったが、先の口腔乾燥症状について、GERD陽性群と陰性群で感じ方に有意差があった。加えて、GERD陽性群では呼吸器症状、背部、手足の痛み・しびれなどの整形外科的症状、頻尿・残尿などの泌尿器科症状、頭痛などの症状が陰性群に比べて有意に多かった。GERD陽性群(8名)と陰性群(8名)について、PSG検査を実施した結果、ブラキシズムの発現は食道内のpH低下時に起こることが確認された。今後、口腔乾燥症状とGERD、睡眠障害との関連について検定を重ねたうえ、ランダム化二重盲検試験を実施する予定である。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
Orthodontic Waves (In press)
心療内科 11
ページ: 278-284
Journal of biomechanical materials research part B 81
ページ: 456-461