研究課題
基盤研究(C)
歯周疾患の特徴の1つとして、炎症が慢性化することが挙げられるが、報告者のグループは、歯周疾患の慢性化機序について歯周病原性細菌Actinobacillus actinomycetemcomitans菌(A.a菌)の産生する細胞膨化致死毒素(Cytolethal Distending Toxin;CDT)に注目し研究を行い、その成果を数編の国際誌に発表した。福岡県京築地区において80歳高齢者の口腔内状況と全身状態に関する追跡調査を実施したところ、80歳時の咀嚼可能食品数が少ないほど、4年後生存率が低いことが明らかとなった。また、死亡原因は心臓血管障害と有意に相関関係が認められた。咀嚼機能の喪失は歯周疾患が原因であるものが半数とされており、歯周疾患に伴う歯周組織の破壊に伴い、A.a菌などの歯周病原性細菌が血流を通じて心臓や血管の局所で 感染・障害を起こすことが心臓血管障害の誘因であると示唆された。CDTは血管内皮細胞を障害することから、心臓や血管の歯原性病巣感染における発症機構に関わっていると考えられた。また、CDTが細胞にアポトーシスを誘導することを応用して、連続的に細胞に超音波を細胞に照射することで細胞膜の透過性を一時的に向上させることにより、細胞内へ薬物や遺伝子、アミノ酸などを取り込ませる技術であるSonoporationを用いてCDTをガン細胞に注入することで、ガン細胞にCDTの活性サブユニットCdtBを発現させ増殖抑制させる方法を試行した。ヒト歯肉扁平上皮ガン細胞株Ca9-22及び同細胞を移植したnude KSN/slcマウスを用いて実験したところin vitroおよびin vivoで顕著に増殖が抑制された。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 10件)
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