研究概要 |
市町村が実施している歯周疾患検診は通常Community Periodontal Indexで評価されているが,口腔診査を担当する歯科医師の確保は,群市区の歯科医師会に頼るところが大きく,診査者間のキャリブレーションと検診技術の習得が必須事項となってくる。近年,集団検診だけでなく,地域の歯科診療所で実施される個別検診の事例も増加していることから,診療所設備を活用した,より臨床に直結した診査法も検討していくことが検診の効率化,精度管理につながっていくと考えられる。そこで今回,歯周疾患検診結果と臨床の場での診査・診断との関連性を知ること,さらに検診精度管理の充実と検診精度の向上,地域歯科保健事業と歯科医療現場との連携強化促進を活性化,歯科保健医療資源の有効活用について検討することを目的に,歯周疾患検診時にパノラマX線撮影を行い,従来の視診型検診法とパノラマX線写真による評価との整合性の解析を行う研究計画を立てた。 本年度は,成人歯科健診事業(歯周疾患検診)に参加し,データの収集を中心に研究を進めていった。口腔診査は視診型診査法で実施し,う蝕状況についてはWHOの診査基準に基づき行い,歯周疾患状況についてはCommunity Periodontal Index (CPI)によって代表歯を診査するとともに,パノラマX線撮影が可能な施設での受診者のうち撮影可能な者に対してパノラマX線撮影を行い,パノラマX線フィルムによる歯周疾患状況の評価を行なった。18年度歯周疾患検診およびパノラマX線撮影実施者は約120名であった。 パノラマX線フィルムによる歯周疾患状況の評価法にっいては,Periodontal Index (PI)のX線評価基準によるスア,Gingival Bone Count (GB Count)のBone Scoreを求め,歯槽骨の吸収状態の評価を現在進めている段階にある。さらにセメントーエナメル境から根先までの距離(根長)と根先部から歯槽骨骨頂までの距離(歯槽骨長)を測定し,歯槽骨の吸収率を求めている段階であり、随時データの入力、パノラマX線フィルムのデジタル化を行いっている。
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