研究課題/領域番号 |
18592301
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩本 幹子 北海道大学, 医学部, 准教授 (50292040)
|
研究分担者 |
高波 澄子 北海道大学, 医学部, 教授 (70281772)
溝部 佳代 北海道大学, 医学部, 講師 (70322857)
|
キーワード | 医療・福祉 / 医療従事者 / 倫理教育 / 医療倫理 / 看護倫理学 / 職業倫理 |
研究概要 |
研究目的:包括的カリキュラムとしての医療倫理学の、カリキュラム構成を検討する基礎データを収集するために、倫理教育の現状について明らかにする。 1.医療倫理教育の内容と方法 医療に関わる専門職の基礎教育におけるカリキュラムの構成、単位・授業時間数・教育年次・担当教員の専門についてシラバスをはじめとした資料収集と教員への質問調査を行った。この結果、医療倫理学としてカリキュラムに含まれているものの、一般教育課程・専門課程、選択科目・必修科目と倫理教育の位置づけは異なっており、授業を担当する教員の専門も倫理学、医学、看護学と多様であった。特に、専門課程において、生命倫理学・医療倫理学から、各専門職における倫理学まで内容を深めているカリキュラムは少数である。大学院教育において、複数の専門職課程に属する学生を対象とした倫理教育が開始されているが、学生の興味関心が高く、学生間での活発な討議や主体的な学習を促進するためのトピックの選択は困難であった。包括的医療倫理教育として授業のテーマの選択、学生の授業への準備性の向上、授業方略の開発の途上にある。 2.卒業時の倫理的問題の感受性とその解決方法の思考プロセスの特性 卒業時の看護学専攻の学生を対象に質問紙調査を実施した。この結果、一般教育科目として、医療倫理学に関する授業を履修する学生は11%と少なく、低学年時の倫理に関する興味関心が低いことが明らかとなった。しかし、専門教育期には、90%の学生が履修しており、卒業時には高い学習の必要性の認識を示していた。卒業時点で、インフォームドコンセント、QOL、患者の権利に関する関心が高く、医療資源の配分、遺伝子検査、研究における倫理に関する関心は低かった。臨地実習において、70%の学生は倫理的問題を認識しており、そのうち43%の学生は、教員、臨床指導者、クラスメートに相談し、解決に当たろうと行動していた。
|