研究概要 |
今年度は第一に生体センサーを使用して,生理指標としての瞬目および眼球運動の測定のためのソフトの開発と「瞬目の課題による変化」をテーマに測定方法の確認に関する研究を行った。測定方法については,第16回瞬き研究会の測定方法に関する部門で発表を行った。そのセンサーは2cm×2.5cm程度で身体につけても違和感なく,そのデータはコンピュータに無線で送られ,身体の拘束が生じないため,5m四方程度の室内ならば歩行も可能である。また,心拍数あるいは瞬目数さらには身体の動きを重力加速度でとらえることができるため,3次元で測定部位の動きをとらえることができるものである。今後,様々なシーンで生理指標を身体拘束なしに測定できるものとして利用できると確信している。「瞬目の課題による変化」については今後,学会発表予定である。 さらに,入院中の患者の睡眠状態について,今年度は患者の状態,患者の行動と睡眠状態の関連性について調査研究を行った。その結果はまだ報告はしていないものの,興味深い結果が得られた。それは状態の良い患者のほうが睡眠状態の自己満足度は低く,状態の悪い患者のほうが睡眠について満足度が高いものであった。看護職として「眠れない患者」について全身状態が悪い印象を持っていたが,その仮説は誤っていたことが検証された。今後は上記の生体センサーが有効に使用できることを確認したので,この睡眠状態と生体反応の関連性について検討していきたいと考えている。
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