研究課題/領域番号 |
18592304
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
永野 みどり 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 准教授 (40256376)
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研究分担者 |
手島 恵 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 教授 (50197779)
徳永 恵子 宮城大学, 看護学部, 教授 (80295378)
中原 秀登 千葉大学, 法経学部, 教授 (60189016)
緒方 泰子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 准教授 (60361416)
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キーワード | 褥瘡 / 医療質評価 / ケアの質指標 / 質問紙調査 / 訪問調査 / チーム医療 |
研究概要 |
フォーカスグループインタビュー(FGI)と訪問調査と質問紙調査を実施した。 【FGI】大規模病院の褥瘡対策を担当している皮膚・排泄ケア認定看護師8人に対し、2グループに分けて実施した。効果的な褥瘡対策の取り組みとして、褥瘡の記録と報告などの情報管理、ケア基準、医師の協力体制、リンクナースの育成、褥瘡ケアの監査、褥瘡回診、褥瘡予防用具の充実などが挙げられた。褥瘡対策の質評価指標として、DESIGNの点数の推移、治癒率などの長所や短所が検討された。 【訪問調査】7か所の大規模病院の褥瘡対策体制について訪問調査を実施した。ハイリスク加算を算定されている病院の中でも、褥瘡対策チームの位置づけ、褥瘡ケア基準の内容、院内における褥瘡対策活動の浸透、体圧分散寝具分散寝具の管理方法、褥瘡回診のメンバーや対象、スタッフへの教育内容など、大きな違いがあった。担当者は大変なやりがいを感じ生き生きと職務を果たしていたが、超過勤務時間が非常に長い施設が多かった。 【質問紙調査】皮膚・排泄ケア認定看護師が褥瘡対策を担当している65施設に対し、質問紙調査を行った。そのうち、30施設は2年前も同様の質問紙調査を実施していており、2度目の調査の対象となった。80床から1037床の急性期病院46件の回答があった。発生率は、平均0.8%であった。治癒率は、平均35%であった。コンサルテーション対応が2日以内になされること、治癒報告悪化報告などが明文化されている施設では、発生率が低く治癒率が高かった。2年前と対応して変化をみると、病床数あたりの看護師と皮膚・排泄ケア認定看護師の数が明らかに増えており、褥瘡ケアの質は高くなっていることが推測できた。褥瘡の有病率は減少し、治癒率は上昇傾向にあったが、褥瘡の発生率は高い傾向にあった。特に浅い褥瘡の発生率が増加傾向にあり、褥瘡のケアの質の指標として、治癒率や浅い褥瘡の発見率が重要であることが、示唆された。
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