本研究の目的は看護教員のインストラクショナルデザインカを開発することである。研究方法はインストラクショナルデザインに関するワークショップ(内容はインストラクショナルデザインのシステム、ガニエ9教授事象、ARCS動機付けモデル、シラバスの書き方)を開催し、これらに参加してインストラクショナルデザインに関する基礎知識を得た教員にシラバスの改善を求めた。例えば「安全を守る技術」のシラバスでは、目標表現が「・・について理解する」から「・・について説明できる」に修正され、授業導入の「学習者の注意を喚起する」では「病院は安全だろうか?」と投げかけて注意を向け、学習目標を具体的に知らせ、前提条件を思い出させるために、看護学概論で学んだナイチンゲールのく生命力の消耗を最小にするように環境を整える意義>を考えさせ、情報提示では法的責任、リスクマネージメントの意義、安全を守る使命感と観察力を提示し、学習の指針を与えるために観察する眼、必要な知識と方法、医療チームの連携を考えさせ、学習活動としては練習の機会をつくり、フィードバックを与え、学習の成果を評価し、保持と転移を高めることを意識したシラバスに改善された。一方ではARCS動機付けモデルを活用して注意(面白そうだ)、関連性(やりがい)、自信(やればできる)、満足感(よかった)を刺激するなど、これらをシステム的に取り組んでいく素地が育成され、看護教員のインストラクショナルデザインカが高められたと推察される。
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