研究課題/領域番号 |
18592318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
前川 幸子 大分大学, 医学部, 助教授 (30325724)
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研究分担者 |
原田 千鶴 大分大学, 医学部, 助教授 (80248971)
江崎 フサ子 大分大学, 医学部, 教授 (00223644)
小幡 光子 大分大学, 医学部, 教授 (50264346)
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キーワード | 実践知 / 生きられた経験 / 教育的状況 / 教育的契機 |
研究概要 |
本研究の目的は、看護教育における「実践知」とその発展過程について明らかにすることにある。 本年度の研究実施目標は、「看護学教育」および「実践知」についての理論的検討を基盤に、研究方法論の妥当性および分析方法の方針を決定することにあった。 研究論文の渉猟、検討を行った結果、実践知に関する研究論文には、概ね3つの傾向があった。第一に、専門領域における看護実践としての「看護技術の巧みさ」を解明していくこと、第二に、看護としてわれわれが経験的に了解していても形式知として説明できないことがらを解明していくこと、そして第三に、既に看護研究として明らかになった成果をメタ統合しながら実践知としてモデル化、理論化していくことであった。中でも看護学教育に関する実践知の研究は、学生の臨地実習における経験から実践知を抽出し、その獲得過程や、教員の関わり途の関連性から考察がなされていた。看護教員の教育実践そのものに焦点を当てた研究は少なく、看護教育における実践知の傾向としては、かかわりの知、関係形成の知などが帰納的に導き出された。また、研究デザインとしては質的帰納的研究が中心で、その方法としては内容分析、KJ法、グランデッドセオリーなどが用いられていた。以上から、看護学における実践知の研究を行うにあたって理論的基盤、実践そのものを表現していくための方法論の確保、研究過程を含めた議論の重要性が示唆された。 本研究では、複数の熟練教師の看護教育実践において、さまざまな出来事が生成する局面を読み解く際、その視点としてヴァン=マーネンの「教育的契機」の概念を手がかりにする。次年度は、方法論の検討をもとにプレテストを行い、研究の理論的基盤と方法論の一貫性、妥当性および分析方法の方針を決定し、データ収集を行っていく。
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