1.目的 高齢者の睡眠覚醒リズムの分類を行い、対象特性との関連性を見いだすことである。 2.研究方法 対象はA圏内の老年期病棟に入院している、家族から同意の得られた自動移動のできない認知症高齢者12名である。データ収集方法については、睡眠活動リズムは、活動計を用い、非利き腕に3日間装着し、1分ごとに睡眠か覚せいかの判定を行った。視察法及び最大エントロピー法によるスペクトル解析を行い、パワーの最も高い部分の出現時間を求めた。対象特性データはカルテ調査及び、観察法を用いて収集した。 3.結果 活動量データが適切に取れたものは12名中10名であった。 (1)睡眠覚醒リズムの分類 1日のリズムのない者が2名見出された。うち1名はパワーの出現時間が短かった。多相性睡眠者3名、単相性睡眠者は2名であった。日中、やかんともに睡眠時間の短い者が1名、日中睡眠をとり夜起きる者が2名見出された。これらのことから、一日にリズムを有しないリズム障害、日中覚醒し夜間睡眠する単相性睡眠、日中睡眠し夜間睡眠している多相性睡眠、日中睡眠し夜間覚醒する昼夜逆転、日中覚醒し夜間も覚醒する睡眠不良パターンの4種類に分類することが可能ではないかと考えられた。 (2)睡眠パターンと睡眠パラメータの関連 分類した睡眠パターンと睡眠パラメータとの関連を検討したところ、総睡眠時間、日中の%SLEEP、夜間%SLEEP、覚醒回数が、分類を支持するものであった。 (3)睡眠パターンと対象特性との関連 分類した睡眠パターンと対称特性との関連を検討した結果、年齢には差が見られず、昼夜逆転とリズム障害は前例に認知症の診断があった。認知症のレベルに明らかな差はなかった。昼夜逆転は前例、ADLが0点であり、入浴以外にベッドから離れる機会がなかった。睡眠不良群は前例で睡眠を阻害する症状を持っていた。睡眠不良群には症状コントロールが、昼夜逆転群には日中の活動の推進が必要ではないかと考えられた。
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