研究課題/領域番号 |
18592322
|
研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
小野寺 杜紀 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40070700)
|
研究分担者 |
小笠原 祐子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (80404929)
佐野 恵美香 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10404930)
小竹 久実子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (90320639)
|
キーワード | 看護管理 / 看護理論 / 看護倫理 / 看護理念 |
研究概要 |
平成19年6月〜7月にA県内200床以上の病院の看護部長105人を対象に、留置法による質問紙調査を実施した。対象者には、本研究の目的および方法、研究協力は任意であること、調査票は無記名であり匿名性が確保されることを文書にて説明し、同意が得られた者のみ回答を得た。調査内容は、看護理論、看護理念表明の有無とその内容、看護理論、看護倫理、看護管理についての意識を問うた。調査の結果、有効回答は58名(回収率55.2%)であった。年齢は39歳から65歳で、平均53.4歳であった。臨床経験年数は、56人が15年以上であり、看護部長としての就任歴は3年未満が26人(44.8%)であった。「患者看護ケア時に病院全体で統一した看護理論を使用しているか」の問いに対し、統一した看護理論を使用しているが32人(55.2%)、看護理論を使用しているが、病棟ごとに使用する看護理論は異なるとしたものが7人(12.1%)であった。看護理論を看護ケアに多少なりとも関連づけているのは39人、すなわち67%が該当する。57人の病院で、看護理念表明が存在した。含まれる語句は、「安全・安楽な看護」、「患者中心の看護」、および「質の高いケアの提供」がそれぞれ60%以上であった。作成者は「看護部」25人(43.1%)、「看護部長」22人(37.9%)であり、参考にしたものは、「病院の理念」が48人(82.8%)と最も多かった。意識調査では、「病棟全体で同じ看護観を持つ必要はない」と思うものとそうでないものとは半々であった。「患者ケアでは看護過程を踏むべきである」とするものが多かった。ケアの成果を的確に把握するという過程を常に踏むことが求められ、その基盤を看護理論の基礎的概念が提供してくれることの意義・重要性を再度認識し、看護実務者全員に浸透させる手段を管理者の立場から遂行していく必要がある。
|