研究課題/領域番号 |
18592328
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 政枝 名古屋市立大学, 看護学部, 研究員 (30363914)
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研究分担者 |
川口 孝泰 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40214613)
竹谷 英子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (50241203)
中村 恵子 名古屋市立大学, 看護学部, 助教 (60363917)
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キーワード | 人工股関節全置換術後患者 / 環境移行 / 患者教育・指導 / 遠隔看護 / QOL / アセスメント |
研究概要 |
■目的:人工股関節全置換術(total hip arthroplasty: THA)後患者が健康な生活を営むためには専門職による教育・支援に加え、患者が望めばいつでもどこでもアクセス可能な情報交流の場が必要である。本研究では、ICTを活用したTHA後患者への看護支援システム『THAケアネット』を構築し、その効果性について検討を行った。 ■研究方法:文献検討、2000〜2007年の先行研究の成果および臨床知をもとに、研究者とTHA後患者のケア・治療に精通した専門職(看護師、医師、理学療法士)が話し合い、『THAケアネット』のシステム構成および内容を決定した。データの公開に伴う倫理的配慮については、対象者への十分な説明を行い、本人の同意を得た。写真データは画像の加工等を行い、個人が特定されないよう十分に配慮した。 ■結果:『THAケアネット』は、《知識・エビデンスの提供》「THAケアネットについて」「研究の成果」「股関節のしくみと働き」「股関節の病気」「人工股関節全置換術」と、《個別対応の支援》「手術後の生活について」「あなたの日常生活をチェック」「生活に役立つ道具の紹介」「事例の紹介」から構成された。個別対応の支援「あなたの日常生活をチェック」では30項目の質問を設定し、「居住環境・生活習慣」「生活動作・活動量」「セルフケア能力」「周囲のサポート体制」の評価から、16タイプの看護支援を提示した。看護支援には「事例」「生活に役立つ道具」の情報を反映させた。 ■考察:『THAケアネット』は、エビデンスを踏まえたTHA後患者への教育・支援ツールとして有効であり、ICTを活用した情報交流とこれらのデータマイニングおよびデータウェアハウスが、看護支援の質の保証に繋がることが示唆された。さらにTHA後患者を対象とした試験導入を行い、実践での活用有効性および内容妥当性を検討することが今後の課題である。
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