研究概要 |
平成18〜19年度の市民との協働的な模擬患者教育の実践活動から得られた医療者の説明・対応に対する意見や、理解困難と感じる医療用語などをもとに、遺伝カウンセリングを学ぶ初学者用に教育教材DVDを作成した(『遺伝カウンセリングを初めて学ぶ人のために-保因者の判定を目的とする遺伝学的検査を希望するクライエントの遺伝カウンセリング(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)-』,30分,手引書付き,株式会社医学映像教育センター)。 本教材DVDは遺伝カウンセリングをこれから学ぶ臨床家や教育者などを対象として作成したため、到達目標は、(1)遺伝カウンセリングを学び始めた初学者が、遺伝カウンセリングの重要性を認識し、臨床医療機関における遺伝カウンセリングの実際をイメージできる、(2)現場で求められる遺伝カウンセラーの社会的役割や態度を学ぶことで自身の課題を見いだし、次ステップの学習へとつなげることができる、の2点とした。 作成にあたっては、遺伝カウンセリングを専門とする臨床家と研究者、および模擬患者をコーディネートしている団体代表(東京SP研究会・代表・佐伯晴子氏)に学術協力者として参加してもらった。また模擬患者役として活動している市民2名からも、非医療者の立場から意見を得て内容に反映した。 DVDの内容は、(1)遺伝カウンセリングの基本的知識、(2)ユシェンヌ型筋ジストロフィーの保因者診断について来談したクライエントに対する遺伝カウンセリングの実際場面を、(3)遺伝カウンセリングにおける倫理的・法的・社会的課題、(4)視聴者が実施するロールプレイの課題提示の4部構成からなる。
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