研究課題/領域番号 |
18592336
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
中原 るり子 東邦大学, 医学部, 准教授 (90408766)
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研究分担者 |
竹内 千恵子 東邦大学, 医学部, 教授 (50327483)
遠藤 英子 東邦大学, 医学部, 教授 (80223684)
田中 美穂 東邦大学, 医学部, 助教 (80385567)
蜂ヶ崎 令子 東邦大学, 医学部, 助教 (30385570)
横屋 智明 東邦大学, 医学部, 助教 (90385576)
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キーワード | 与薬事故 / リスク・アセスメント / FMEA / 経口与薬 |
研究概要 |
【目的】本年度は病棟看護師の経口与薬の作業工程をFMEA((Failure Mode and Effect Analysis)を用いて分析し、その有用性を検証した。 【方法】研究1:平成19年9月〜19年12月にA病院(特定機能病院)で経口与薬業務のFMEAを実施した。研究2:平成19年8月〜19年10月にA病院16病棟の中堅看護師16名を対象に8:00〜18:30における経口与薬業務の観察と面接を実施した。研究3:平成19年9月〜20年3月にB病院(中規模専門病院)循環器病棟で経口与薬業務のFMEAを実施し、対策を講じてその効果を検討した。【結果】研究1:A病院におけるFMEAの結果、もっとも誤薬の危険性が高い作業は「分包業務」と「配薬業務」であることが明らかになった。研究2:A病院における観察と面接の結果、A病院では「分包作業」についてマニュアルが整備・徹底されていたが、作業が引き継ぎ後に行われるため、夕方から内服するべき薬剤の「与薬遅れ」や「与薬忘れ」が生じやすいことが示された。FMEAは分析作業に時間を要し、簡便さの点で課題が残された。研究3:B病院におけるFMEAの結果、経口与薬業務のマニュアルの整備が遅れており、「配薬業務」の段階で誤薬が起こりやすいことが示された。新たなマニュアルの作成と誤薬防止用の配薬BOXの活用を進めた結果、誤薬がゼロになった。 【考察】以上から看護師の経口与薬作業におけるFMEAの有用性が示唆された。ただし、簡便さに課題が残った。
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