研究概要 |
今年度は以下の2つを実施した。結果の概要を以下に示す。 1.婦人科がん術後患者が下肢リンパ浮腫と折り合いを付けた生活を獲得するプロセスに関する質的研究1)対象、方法:A病院のリンパ外来に通院する婦人科がん術後患者13名の面接内容を修正版グランデッド、セオリ、アプローチを用いて分析した。調査は、対象者の通院する施設の倫理委員会の承認を得て面接を行った。2)結果擁要:婦人科がん術後に下肢リンパ浮腫が出現した患者は,【リンパ浮腫の自覚と自己判断での症状改善の模索体験】を経験した後,【リンパ浮腫と折り合いをつける生活の促進体験】と【リンパ浮腫と折り合いをつける生活の阻害体験】を経て,【リンパ浮腫とともに生きる決意】という経過をたどっていた。これらから,看護師は,リンパ浮腫発症の可能性について十分認識できるようにするとともに,予防行動の重要性と具体的な方法を指導することが重要である。また,発症した患者に対しては,セルフケアが継続して実施できるよう,浮腫に対するコントロール感覚を高めるような支援が必要である。このためには,リンパ浮腫患者、家族に対する支援体制を整える必要性が示唆された。 2.乳がん患者に対するリンパ浮腫予防介入1)対象:A病院の乳がん手術患者を対象に,術後リンパ浮腫予防のための教育的介入を行い,一部の評価を行った。今後,プログラムの修正を行い,事例を積み重ねる予定である。
|