研究概要 |
本課題は,幼児から青年にいたる小児が,自分の健康や生活習慣に関心を寄せ,生活習慣を整えていくことができるような段階的なプログラムの構築の一部である。本課題では,幼児とその親に焦点をあて,親が自分の健康に関心を寄せ生活習慣を整えていくことを促進することにより,親の健康増進を図るとともに幼児の生活習慣が改善することを目指している。平成18年度に支援内容を作成するために行なった事前調査の結果から,自身の健康への関心が向けられていない母親は約1/3おり,育児を含めた生活の仕方に慣れていない母親に対する支援に焦点をあてていく必要性と,母親が養育をしながら日常生活の中で身体活動を行ったり,定期的に検診を受けることができる具体的な支援の必要性が示唆された。また,幼児を育てるうえで困難を感じている点も抽出された。 平成19年度は,以上の結果をふまえて6ケ月間に渡り4回の「幼児を育てるお母さんの健康教室」:"こどもの食について""おむつが外れるまで""お母さんの健康と検診""こどもの睡眠、生活リズム"の開催と,教室前後の母親の生活習慣調査,骨密度・体脂肪・血圧・身長・体重測定,および,子どもの身長・体重測定を実施した。教室開催前の調査と計測には22人,教室開催後は13人が参加した。また,健康教室への参加は16〜25人,4回で延べ77人が参加した。参加者からは,こどもへの関わり方や自分自身の健康を考えるきっかけになったことが述べられた。教室前後の生活習慣の変化や計測データに関する分析を行い,来年度の活動に発展させていく予定である。
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