研究協力者 |
古澤 亜矢子 名古屋大学, 大学院・医学系・研究科, 博士後期課程
大橋 幸美 名古屋大学, 大学院・医学系・研究科, 博士後期課程
山本 真美 名古屋大学, 大学院・医学系・研究科, 博士後期課程
山北 奈央子 名古屋大学, 大学院・医学系・研究科, 博士前期課程
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研究概要 |
広汎性発達障害(以下、PDD)を養育する家族の育児ストレスと家族機能, QOLの現状調査 ; PDD児(3-6Y)の母親149名への無記名質問紙調査を行った.調査内容は基本的属性、自閉症の子どもの行動特徴質問紙(行動特徴), PS-SF実用版, WHO-QOL26, 家族機能尺度(FAI)で、有効回答数は78部(52.3%)、児の平均年齢5.4歳±1.1(男児66, 女児12), 診断は自閉症54%、PDD 26%、HFA13%、Asperger 4%であった.児の行動特徴総点と母親のストレスに有意相関はないが、行動特徴の「限局行動」とPS-SFの「子どもの特徴に関するストレス」は正相関した(Spearman's ρ=0.54, P<0.01).「母親自身に関するストレス」は、QOL-26全領域と負に相関し(身体領域ρ=-0.63, 心理的領域ρ=-0.55, 社会的関係ρ=-0.55, 環境ρ=-0.61, P<0.01)、FAI「家族に対する評価」とも負に相関した(ρ=-0.66, P<0.01).PS-SF因子分析では6因子構造((1)孤立・自信のなさ(2)子の行動の困難さ(3)育児をめぐる夫との関係(4)子の好ましい行動の少なさ(5)育児による心身不調の自覚(6)子の不機嫌)で、子どもの行動特徴3側面が、PSI-SFの第4因子と、こだわり行動がPSI-SFの第2・4・5m因子と有意に関連した. 家族の育児ライフスキル促進プログラム; Strength based approachを重視したHealthy Start Program研修(オレゴン州)で認定証を受けた.調査結果に基づき、母親の心身リフレッシュと癒しを重視した小人数制プログラム「すきっぷ・ママクラス」を考案し、平成20年12月より開始した.平成21年度末まで第5期生(延べ42名)に実施し、継続して介入研究を実施中である.データは現在解析中であるが、第2期生までの結果、<導入前><3 か月後><導入後>を比較すると、母親の育児ストレスPS-SF得点は有意に低下し、QOL・家族機能は上昇した.
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