研究課題/領域番号 |
18592355
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山本 直美 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (70305704)
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研究分担者 |
石川 雄一 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (90159707)
登喜 和江 梅花女子大学, 看護学部・開設準備室, 准教授 (00326315)
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キーワード | 脳卒中予防医療 / 脳ドック診療 / 看護活動 / 看護ケアシステム |
研究概要 |
本年度は、面接データの分析をすすめた。脳ドックや脳ドックを含む健診分野で従事する看護師の看護活動を現場の視点から明らかにすることを目的とした。分析結果は以下の通りである。なお、結果は看護系学術集会で発表した。 【結果】脳ドック診療に従事している看護師で研究協力に同意した看護師8名。データは質的に分析した。 1.語りの中核テーマは『看護活動への看護師の構え』『現行の看護活動』『看護活動の展望』であった。 2.『看護活動への看護師の構え』は、看護師に内在している<看護師の役割責任の認知の範囲>や<健診者特性の見方>、外的影響としての<病院組織からの役割期待の程度>によって構成される看護活動のスタンスであり『現行の看護活動』に影響する。 3.看護師が健診者を単に健康意識の高い健康な人と見るか、脳卒中予備軍(生活習慣病や無症候性病変の発見)と見るか、という<健診者特性の見方>の違いが重要な要因である。 4.『現行の看護活動』は<滞らない健診の遂行><生活習慣病を視野に入れた健診への支援><無症候性脳血管障害発見への備え>で説明できた。<滞らない健診の遂行>に終始する看護師は<個に関わる看護活動>や<健康生活につながる看護活動>に至たらず、一方で予防的医療の重要性を認識する看護師は<健診の継続>や<一般的な保健指導>に加えて<脳卒中予備軍としての生活改善指導><無症候性脳血管障害診断後の生活指導><予防的治療に向かう手はずを整える>など拡がりがある。 5.看護師は<個に関わる看護活動>から<健康生活につながる看護活動>まで視野に入れ、『看護活動の展望』を明確に抱いていた。 全国の看護管理者調査では健診分野の看護活動に対する認識の差が明確になった。しかし、現場の看護師は自らの役割責任を健康維持や疾病予防として十分に認識していることが分かった。したがって、看護活動に一定のシステムが求められると考える。
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