本研究は、女性の続発性リンパ浮腫患者に対して、効果的かつ具体的な看護介入方法の示唆を得て、外来における継続看護システムを構築することを最終目的としている。 平成19年度は、がん治療に伴う続発性リンパ浮腫患者14名に対して、複合的理学療法を用いて介入を行いデータを収集した。本年度は、本研究課題の期間の半ばであるため、対象者を増やしデータ収集を行ってきた。対象者は、大別して乳癌術後の上肢リンパ浮腫と、子宮癌術後の下肢リンパ浮腫を起こしている者であり、リンパ浮腫の病期はII期〜III期であった。複合的理学療法による介入開始数ケ月後より、対象者の多くは周囲径の変化と皮膚の軟化による自覚症状の改善が見られた。だが、対象者の年齢や生活背景、セルフケアの状況による課題も抽出された。このような状況から、国内外の研究の動向を把握するため、国際学会で発表し、また情報交換を行ってきた。 複合的理学療法は、リンパ浮腫治療の第一選択とされている保存的療法であり、かつ、看護職者による指導の重要性も述べられるようになってきた。本研究で行っているデータをまとめる事により、より具体的な患者教育の時期、方法、内容などが示唆されてくると考えている。よって、引き続きリンパ浮腫の身体的変化(周囲径、循環器系の変化など)に関する事、自覚症状や生活の質(QOL)の変化に関するデータを収集し、次年度に計画している看護システム構築に関する示唆を得ていく。
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