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2007 年度 実績報告書

意識障害患者への看護介入効果に対する神経科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18592366
研究機関北海道大学

研究代表者

林 裕子  北海道大学, 医学部, 准教授 (40336409)

研究分担者 村上 新治  北海道大学, 医学部, 教授 (30142756)
紙屋 克子  筑波大学, 人間総合研究科, 教授 (90272202)
福良 薫  札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (30299713)
キーワード意識障害 / 感覚刺激
研究概要

はじめに:昨年度は意識障害回復のための介入方法の検討を行った.これまで,意識障害回復への介入は五感への単一刺激の刺激が主に行われてきたが,この刺激では前頭葉での統合が生じにくいため,複数の感覚刺激を同時に行うことで脳活動を活性化させ意識障害回復に効果があるのではないかと考え,脳に損傷のない成人男女を対象者として,視覚刺激が遮断状態において感覚系の刺激を入力する方法について検討をおこなった.研究方法:成人男女で脳損傷経験のない者40名を対象者とした.研究課題は,課題1,閉眼臥位状態で(1)痛覚刺激,(2)嗅覚刺激,(3)関節刺激,の単一の感覚刺激を5分間行った.課題2,閉眼臥位状態で複数異種感覚刺激として食行動を想定した刺激を5分間行った。データはイーオス製の簡易型脳波計(1チャンネル)ブレインモニタEMS-100にてα波とβ波の発現数を測定した.結果・考察:課題1では閉眼臥位にて課題1の刺激をそれぞれ単一に5分間行った場合のα波とβ波の発現時間は,嗅覚刺激のβ波のみが4分以上発現していた.α波とβ波では変化率の平均値において痛覚刺激は嗅覚刺激と関節刺激にそれぞれ極めて有意な差が認められた(P<0.001)が,痛覚刺激と関節刺激の比較では差は認められなかった.課題2の複数異種感覚刺激におけるα波とβ波の発現時間は100%が5分間発現していた.嗅覚刺激と複数異種感覚刺激におけるα波の変化率を比較すると有意な差が認められた(P<0.05)が,β波では嗅覚より変化率が高いが認められなかった.この結果より複数異種感覚刺激中は傾眠傾向がなく前頭葉の活動が確認できた.臨床における応用は3例であるが試みたが,まだ分析に耐えられる数にはなっていない.今後,この基礎研究が臨床で応用可能であるかを検証する必要がある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 脳神経領域のキャリア形成における教育研修ニーズ2008

    • 著者名/発表者名
      林裕子
    • 雑誌名

      Brain Nursing 24

      ページ: 205-211

    • 査読あり
  • [学会発表] 意識障害患者への介入による前頭葉活動の効果2007

    • 著者名/発表者名
      林 裕子
    • 学会等名
      日本健康行動科学学会第6回学術大会
    • 発表場所
      山形健康生涯学習センター(山形市)
    • 年月日
      2007-11-25

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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