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2008 年度 実績報告書

意識障害患者への看護介入効果に対する神経科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18592366
研究機関北海道大学

研究代表者

林 裕子  北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (40336409)

研究分担者 村上 新治  北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (30142756)
キーワード意識障害 / 感覚刺激
研究概要

はじめに : 昨年度は意識障害回復のための介入方法として、複数異種感覚刺激である食行動を想起する刺激が脳の活動に寄与するかを検討し、その確認をおこなった。この研究を基に今年度は、臨床応用を試みるための組織的な体制作りと、実際の調査を試みた。研究方法 : 脳損傷によって覚醒障害をともなう意識障害患者20名に対し、食事行動を想起するための複数異種感覚刺激を5分間行った。データはイーオス製の簡易型脳波計(1チャンネル)ブレインモニタEMS-100にてα波とβ波の発現数を測定した. 解析は介入前の安静時と介入中と、1週間介入を続けた後の安静時の3回の測定を行った。結果・考察 : 対象者は、脳損傷発症から1か月以内の患者(初期)が6名(男性2名、女性4名、平均年齢は60.33±13.54歳)、発症1か月以上6か月以内の患者(継続期)が6名(男性2名、女性4名、平均年齢は64.33±26.64歳)、発症から6ヶ月以上経過した患者(遷延期)が8名(男性3名,女性5名、平均年齢では67.50±28.43歳)であった。初期の患者の介入中と介入4週間後では、α・β波の発現時問が100%であった。α・β波の発現数の変化率では、各期における患者間では有意差がなかったが、初期の患者の変化率がα波5.09±8.07、β波3.26±2.89と最も大きく変化していた。よって、発症から初期の患者においては、この複数異種感覚刺激の介入の効果が大きいことが示される。しかし、継続期と遷延期の患者においても、介入する脳の活動が確認された。従って、複数異種感覚刺激は、意識障害患者への看護介入として効果があると示唆される。しかし、今回は対象者の脳損傷部位や疾患等に関してや、長期に関わることによる変化については、言及できていないため、今後の課題と考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 視覚刺激遮断時におけるα波とβ波の発現状態と評価方法の検討2009

    • 著者名/発表者名
      林裕子
    • 雑誌名

      Health and Behavior Sciences 7

      ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 開・閉眼状態の姿勢変化が脳活動におよぼす影響2009

    • 著者名/発表者名
      林裕子
    • 雑誌名

      日本脳神経看護研究学会誌 31(in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 意識障害患者への継続的介入による脳活動評価の検討2008

    • 著者名/発表者名
      林裕子
    • 学会等名
      日本脳神経看護研究学会
    • 発表場所
      呉大学呉駅キャンパス(呉市)
    • 年月日
      2008-09-14
  • [学会発表] 閉眼で姿勢保持することが脳活動に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      林裕子
    • 学会等名
      日本看護研究学会
    • 発表場所
      神戸ポートピアホール神戸国際会場(神戸市)
    • 年月日
      2008-07-21

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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