平成18年度は、看護統計学の専門家の知識提供を受け、スクリーニング用紙を作成した。本研究の先行研究となる基礎調査(平成14-15年度:青森県子ども虐待ハイリスク調査研究事業)で作成したスクリーニング用紙のリスク因子50項目を因数分析して項目を抽出し、さらに、基礎研究(C)(平成15年度〜17年度:児童虐待の未然防止策並びに再発予防を目的とした親へのサポートシステムの構築)における虐待する母親への面接調査結果から得られた背景因子を併せて検討し、22項目からなるスクリーニング用紙を作成した。また、花沢式対児感情尺度、エジンバラ産後うつ病自己評価表の実施時期を、それぞれ妊娠30週前後及び産後1ヶ月とし、研究方法を確定した。(平成18年9月) 次に、研究協力施設への依頼を行い、計画の2施設及び新規開拓施設1施設、合計3施設の承諾を得、研究会議を1〜2回実施(平成18年10月〜平成19年1月)し、その後調査を開始した。調査結果から1〜2ヶ月後に再度打ち合わせ会、および子ども虐待およびDVについての勉強会を行った。各施設のスタッフ6〜8人の参加者であった。また、ハイリスクケースおよび気になるケースについてのケアのアドバイス等も同時に行い、スタッフの看護ケアの支援を行った。 3月末の時点で、調査協力の承諾が得られ調査を開始したケースは、A施設122件、B施設50件、C施設23件、計195件であり、調査が終了したケースは、A施設69件、B施設10件、C施設5件、計84件である。3月の時点で、調査対象数が目標の200件に迫っており、今後は順次産後1ヶ月の終了時点まで調査を継続していく予定である。
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