研究課題/領域番号 |
18592371
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
広瀬 規代美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (80258889)
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研究分担者 |
二渡 玉江 群馬大学, 医学部, 教授 (00143206)
中西 陽子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (50258886)
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キーワード | 喉頭摘出 / 食道発声 / プロセス / がん看護 |
研究概要 |
今年度の研究目的は、喉頭摘出後の食道発声リハビリテーションの継続に向けた看護支援状況の実態を把握すること、また昨年度の食道発声獲得プロセスの結果を踏まえ、看護支援について検討することを目的とした。 今年度の最初の取り組みとして、昨年度に引き続き、食道発声を獲得できなかった喉頭摘出者が、喉頭摘出術の告知後、食道発声の練習を継続できず中断し、失声に伴うコミュニケーションをどのように捉えているのかを明らかにすることを目的に、食道発声未獲得者8名を対象に筆談・電気喉頭で半構成面接したデータをグラウンデッド・セオリー・アプローチ(修正版)を用いて分析した。その結果、告知後、<生命の保障と失声との葛藤>の中で、<喉頭摘出はどうすることもできないと諦め>として捉えていた。喉頭摘出後では、失声は覚悟していたものの<逃れられない失声の実感>により、現実の厳しさをつきつけられるとともに、<意思伝達ができないイライラ>を自覚し、対人関係からの<閉じこもり>等、コミュニケーションに対する諦めが認められた。また<孤独感><発声できないことに対する悲観>等が、食道発声に対する諦め、食道発声の中断となり、対象者は、対人関係を避けている自分を自覚していた。食道発声の練習を継続するためには、コミュニケーション困難な時期に、孤独感や同病者間における発声の差の自覚を助長しないよう、精神的サポートを強化する必要を示唆した。この結果を踏まえ、今後の看護支援の具体的検討を行う予定である。 また、喉頭摘出者に関する看護支援体制の具体策の検討を図るため、全国の喉頭摘出者の看護に関わる病棟・外来看護師、及び全国喉頭摘出者団体連合会に参加する会員を対象に質問紙調査を実施した。その結果、調査協力依頼文書を301施設及び59患者会に送付し協力同意の回答を得た施設212件(回答率70.4%)、患者会22件(回答率37.3%)であった。現在回収したデータについて分析中である。
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