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2007 年度 実績報告書

在院日数短縮が手術を受ける患者の周手術期看護に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 18592372
研究機関横浜市立大学

研究代表者

高島 尚美  横浜市立大学, 医学部, 教授 (00299843)

研究分担者 渡部 節子  横浜市立大学, 医学部, 教授 (80290047)
五木田 和枝  横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40290051)
キーワード周手術期看護 / 在院日数短縮 / 患者教育
研究概要

平成19年度は、在院日数が最も短縮されている日帰り手術を受けた527名の患者の症状や自己対処、術後のセルフケアにおける情報認識について実施した平成18年度の調査データを分析した。その結果、3割弱の患者が比較的強い痛みを経験しながら「様子をみる」という対処をとり、術後の回復や生活に必要な情報は1割程度が不足を認識し、それらは全体評価や回復までに要した日数や症状出現の有無との有意な関連があり、患者のセルフケア支援のためには情報提供の仕方や症状コントロールが重要であることが示唆された。また、一般病床における在院日数短縮に伴う患者の療養状況および看護の実態を調べるために、胃がんで手術を受け退院した患者10名への面接とQOL調査を実施するとともに、全国300床以上の740施設を対象に、消化器外科外来および病棟の看護管理職に対し在院日数短縮に伴う看護の現状および解決策について調査を実施した。回収率は外来313件(42.3%)、病棟265件(35.8%)で、病棟における術前入院日数は0-4日、術後日数は平均10-14日が最も多かった。在院日数短縮は経済効率や患者の自立、看護の標準化としての利点はあるとする一方で、忙しさが増し患者の術後の不安の増強やセルフケア不足、家族の負担増加を生んでいると認識され地域差がみられた。胃がん術後患者からは術後の回復や入院日数への認識には個別差かあるものの、食事摂取や体力低下が困りごととして語られた。
今回の調査結果から、わが国において在院日数は現実的に短縮の方向にあり看護サイドでは、回転率上昇による多忙さによる患者との関係形成やセルフケア支援の困難さが問題点として考えられた。これらに対し院内連携や地域連携、クリニカルパスの活用、患者教育の工夫などさまざまな取組みがなされており、今後現実的に短時間で実施できるより質のたかい周手術期看護を実現するための具体的示唆が得られたものと考える。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 成人学習者としての経験を活かした臨地実習指導者研修プログラムにおける学びの様相2008

    • 著者名/発表者名
      高島尚美、渡部簿子、青木由美恵、五木田和枝
    • 雑誌名

      横浜看護学雑誌 1(1)

      ページ: 35-43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 脳腫瘍患者もおけるSF36を活用したQOL評価2008

    • 著者名/発表者名
      五木田和枝、高島尚美、渡部節子, 他
    • 雑誌名

      横浜看護学雑誌 1(1)

      ページ: 50-58

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 臨地実習における教材化の比較2008

    • 著者名/発表者名
      島田悦子、高島尚美
    • 雑誌名

      日本看護学教育学会誌 17(3)

      ページ: 15-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 臨地実習における看護学生の気分変化と自律神経反応との関連2007

    • 著者名/発表者名
      樋之津淳子、林啓子、村井文江、高島尚美
    • 雑誌名

      札幌市立大学研究論文集 1(1)

      ページ: 31-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 日帰り手術を受けた患者の帰宅後の症状と自己対処2008

    • 著者名/発表者名
      濱田 安岐子
    • 学会等名
      日本看護研究学会東海地方会学術集会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2008-03-15
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 日帰り手術を受けた患者の帰宅後に必要な情報の検討2008

    • 著者名/発表者名
      高島 尚美
    • 学会等名
      日本看護研究学会東海地方会学術集会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2008-03-15
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 脳腫瘍患者における健康関連QOLの実態調査2008

    • 著者名/発表者名
      五木田和枝
    • 学会等名
      日本看護研究学会東海地方会学術集会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2008-03-15
  • [学会発表] 地域と医学部をつなぐ教育プログラムの開発2007

    • 著者名/発表者名
      西井 正造
    • 学会等名
      日本医学教育学会
    • 発表場所
      岩手市
    • 年月日
      20070800
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 成人看護学臨地実習における看護学生のストレス反応2007

    • 著者名/発表者名
      高島 尚美
    • 学会等名
      日本看護学教育学第17回学術集会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      20070800
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 新看護学9 成人看護[1] 消化器疾患患者の看護 手術を受ける患者の看護2007

    • 著者名/発表者名
      高島尚美
    • 総ページ数
      23
    • 出版者
      医学書院

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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