研究課題/領域番号 |
18592377
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
西村 真実子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50135092)
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研究分担者 |
東 昌代 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (80457887)
米田 昌代 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (80326082)
宮中 文子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (00269771)
北岡 和代 (東口 和代) 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60326080)
金川 克子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (10019565)
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キーワード | 子どもの虐待 / 子育て / 自己効力感 / 母親 / ペアレンティング・プログラム / 育児不安 / 育児困難 |
研究概要 |
1 乳幼児の母親の育児困難の状況 ペアレンティングプログラムの作成に役立てるために、現代の日本の子育ての現状、特に母親にとっての困難点(うまくいかないこと、なんとかうまくいっていること、頑張っている点)を明らかにするために、母親と専門職の5グループに対し、フォーカスグループインタビューを実施した。母親が困難を感じている点は、子どもへのイライラ(キレること)、祖父母や周りと当たり障りのない関係をもつこと、きょうだいに対しバランスよく対応すること、頑張らずにはいられなくて辛くなる等であり、それらの背景状況や関連要因が明らかになった。 2 TOPSE(Tool to measure Parenting self-efficacy)の日本における信頼性・妥当性の検討 ペアレンティングプログラムの評価指標の「TOPSE」は、探索的因子分析の結果、4因子が抽出された。原版の因子構造とは異なっていたが、同時的妥当性の結果、ある程度の妥当性を備えており、Cronbach'sα係数が0.77以上あることから内的整合性も認められ、尺度として使用可能と考えるが、今後引き続き検討し、確認していく必要がある。 3 育児不安や育児困難に悩む母親を対象とした虐待予防をめざした親育ち支援プログラムの評価 カナダの子育てプログラム「Nobady's Perfect」の枠組みを活用し、育児不安や困難あるいは虐待傾向に悩む母を対象としたプログラムの開発をめざしている。3クールのプログラムを実施。参加27名への調査の分析からわかったのは、(1)POMS「緊張・不安」、「敵意・怒り」、「元気・活力」、「思考力低下・当惑」の各得点、抑うつ得点、子育ての自己効力感の各因子得点が、プログラム前に比べて直後(または1か月後)に有意に変化、好転していた。(2)育児困難感や子どもを叩いてしまいそうで怖いと感じることが直後に少なくなっている者が多かった。(3)ものの考え方や感じ方、態度、行動が変化した者、新しい子育てのやり方を知った者が多かった。以上より、プログラムのねらい「エンパワーメント(自己受容等)」、「自分の考え方・感じ方を吟味する」、「子育ての知識や自分に合ったやり方、自分の長所を見つける」に対し一定の効果を確認。一方、改善しない母もいて、個別検討等の課題もある。ねらい「仲間づくり」は長期的にみていく必要ある。
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