研究課題/領域番号 |
18592377
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
西村 真実子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50135092)
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研究分担者 |
米田 昌代 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (80326082)
堅田 智香子 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (70468221)
東 雅代 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (80457887)
和田 五月 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (90509572)
吉田 和枝 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50353032)
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キーワード | 子どもの虐待 / 子育て / 自己効力感 / 母親 / ペアレンティング・プログラム / 育児不安 / 育児困難 |
研究概要 |
カナダの子育てプログラム「Nobady's Perfect」の枠組みを活用し、育児不安や困難あるいは虐待傾向に悩む母を対象としたプログラムの開発をめざしている。プログラムのねらいは、(1)エンパワーメント(自己効力感を高める等)(2)サポートし合う仲間づくり(3)自分の考え方・感じ方を前向きに吟味する(4)子育ての自分に合ったやり方、あるいは自分の長所を見つける(5)育児不安・困難感・イライラが軽減し、子どもへの不適切な対応が少なくなる、の5点。 2007年2月から実施してきた6クールのプログラム(2008年度は3クール実施)に参加した母のうち、研究への協力の得られた38名(介入群)と、これらの母と年齢、子どもの人数・発達段階がほぼ同じの母38名(対照群)にプログラムの効果をみるための質問紙調査を実施。結果の分析からわかったのは、(1)介入群の母の「抑うつ」と「敵意・怒り」の各得点、子育ての自己効力感の各因子得点が、プログラム前に比べて直後(または1か月後)に有意に変化、好転していた。(2)介入群の母の「抑うつ」「当惑」「自己効力感」得点のプログラム前後の変化が、対照群の母の得点変化に比べて有意に大きかった。(3)育児で困惑することが、介入群ではプログラム実施前に比べて3か月後に有意に少なくなっていたが、対照群では変化がなかった。(4)プログラムへの参加により、ものの考え方や感じ方、態度、行動が変化した者、新しい子育てのやり方を知った者が多かった。以上より、プログラムのねらいの効果を確認。これまでの評価結果とプログラムの実践経験を基に、プログラムの実施マニュアルを作成した。一方、改善しない母もいて、個別検討等の課題もある。「仲間づくり」は長期的にみていく必要ある。 また、子育てプログラムの実施や、その後のサポートし合う仲間づくり等、母の実情に合った生活密着型の子育て支援機能を備えた施設検討の一資料として、韓国の産後療養院を視察した。
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