本年度は支援モデルの評価を実施する段階であった。2年前から循環器病院の外来で、フットケアユニットを立ち上げ、糖尿病療養支援を実施してきた。外来受診の都度、フットケア外来で、足の観察とともに、血糖値の状況を患者と共に確認し、高い場合には、その理由を考えてもらい、自己の課題を明確にし、その課題克服計画を立案した。またコントロールに必要な知識が不足していると判断したときには、その場で食事や運動方法について説明し、運動についてはその場で一緒に実施した上で、毎日実施するための方策を患者自身に考えてもらった。現在の状況を39名の人を対象に2月に調査した結果、ヘモグロビンA1cは、5.8%以下め人は2名、5.9~6.5%が10名、9%以上の人が2名であった。この値を改善する必要があると考えている人は31名であった。患者の多くは、一度は糖尿病療養について教育を受けてはいるが、半数近くの人が学び直す必要性を感じていた。本フットケアの利用者の平均年齢は72歳と高齢であり、病歴も平均19年と長く、19名は何らかの合併症を抱えていた。土地柄もあり、2世代同居家族の割合が高い一方で、独居や2人家族が10名であった。2世代同居にも単身または夫婦のみの家族にも食事療法を難しくする状況があることが明らかとなった。冬は雪のため運動がしにくく血糖値が上がりやすいという状況もあり、血糖コントロールを難しくする地域性も考慮した対策が必要である。しかし、生活習慣病支援室の開設は、療養支援の場として有効であり、継続支援を可能性にしている。
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