本研究は、摂食・嚥下障害看護認定看護師及び病棟看護師の摂食・嚥下障害看護の質を評価する尺度を開発することを目的とした。 倫理的手続きとして、愛知県立看護大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。 質評価尺度は、Donabedianの医療における質評価モデルのストラクチャー・プロセス・アウトカムのうちプロセスに焦点を当て、国内外の著書・文献及びエキスパート13名の意見を基に、認定看護師用76項目と病棟看護師用70項目を作成した。次に、認定看護師29名と認定看護師が勤務する病棟看護師559名に対し郵送法で調査をした。認定看護師28名(有効回答26名)、病棟看護師349名(有効回答293名)の回答を得た。認定看護師には、再現性を確認するために再調査をした。評価尺度は、4段階尺度で頻度に応じて尺度値をあてはめ統計処理をした。 認定看護師の評価尺度の合計得点は、平均190.6±46.4点であった。サンプル数が少ないため因子分析ができなかったが、再現性はKappa係数0.284〜0.881であった。 病棟看護師の質評価尺度の合計得点は、平均151.3±39.7点であった。因子分析では、「転院先スタッフへの教育」の項目だけが共通性0.4未満であった。GP分析では、各項目で有意差があった。I-T相関分析ではr=0.266〜0.718であった。構成概念妥当性を因子分析(主因子法、バリマックス回転)で確認した結果、10因子が抽出された。 サンプル数を増やして、認定看護師及び病棟看護師の摂食・嚥下障害看護の質を評価する尺度を精緻化する必要性があると考えられた。
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