【目的】臨床における摂食・嚥下障害看護の質を測定する質評価尺度を作成すること、これらの尺度を用いて認定護師教育課程の教育効果を明らかにするとともに、認定看護師の導入効果を明らかにすることを目的とした。 【方法】2006年・2007年登録認定看護師及び所属する病院の看護師に対して、縦断的に摂食・嚥下障害看護質評価度について質問紙調査を実施した。 【結果】1.病棟看護師の摂食・嚥下障害看護質評価尺度は、64項目6因子で構成され、項目全体のCronbach'sα係数は0.93であった。 2.摂食・嚥下障害看護認定看護師の摂食・嚥下障害看護質評価尺度は、69項目7因子で構成され、項目全体のronbach'sα係数0.98であった。 3.これらの質評価尺度を用いて認定看護師教育課程の教育効果を評価した結果、2006年登録認定看護師において、教育課程修了7ケ月と比較して、修了1年7ケ月後には、第II因子(退院調整に必要なアセスメント・実施)、第III因子(先行期・準備期・口腔期・食道期障害に対する摂食・嚥下リハビリテーションの実施)、第V因子(リスク管理のアセスメント)、第VI因子(評価・指導・相談・看護チームのコーディネート)、第VII因子(医療チームとのコーディネート)の平均得点が有意に高くなった。 4.修了1年7ケ月後において、認定看護師の導入によって病棟看護師の摂食・嚥下障害看護の質の向上に影響する要因について重回帰分析を実施した。尺度全体の合計得点には、摂食・嚥下障害看護経験年数や臨床経験年数が長い、言定看護師の摂食・嚥下障害看護質評価尺度の合計得点が平均値以上であることが影響していた。 【考察】開発した臨床における摂食・嚥下障害看護質評価尺度は、妥当性と信頼性が確認された。また、認定看護自の摂食・嚥下障害看護の質を向上させるための認定看護師教育課程におけるカリキュラムの改善内容が示唆された。
|