平成17年度に「思春期男女の参加による性感染症予防プログラムの開発」(兵庫県立大学特別教育研究助成制度)において、10代後半〜20代前半の若者に対して実施した面接調査結果ならびに文献検討を基に、HIV予防教育プログラムの原案を作成した。作成したHIV感染予防教育プログラム案について、対象となる10代後半〜20代前半の若者19人から意見を聴取した。意見聴取のための調査は、兵庫県立大学看護学部研究倫理委員会の審査を受け、承認を得た。この意見調査に基づき、HIV感染予防教育プログラムを作成した。 開発した教育プログラムは、性交渉の際にコンドームを使用することを決定し、正しく装着できる内容を含み、2セッションからなる。2セッションは、小集団を対象として異なる2日間で実施する。小集団は、同性の仲間同士の構成とし、10人を超えない集団とした。 この教育プログラムによる効果を測定する目的で研究計画を立案した。立案した研究は、便宜的サンプルを用いた準実験研究であり、コンドーム使用教育プログラムを受講した介入群と受講していない対照群で、コンドーム使用に関わる行動の変化を比較するものである。研究対象は、10代後半から20代前半の男女であり、研究参加に同意した男女を研究協力者とし、エフェクトサイズと脱落率よりサンプルサイズを約200人とした。調査項目は、基本属性、「HIV/STD関連知識20項目」「避妊法に対する態度」、「性交渉に対する態度」「妊娠やHIV/STD感染に対するリスク認知」「コンドーム使用提案時の反応予測」「自己効力感尺度」を用いて心理社会的要因を測定すると同時に、コンドーム使用に関する行動を測定する。追跡調査は、プログラム実施後1ヶ月と3ヶ月に行う計画である。本研究は、本学の研究倫理委員会の承認を得、研究を開始する段階にある。
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