研究課題/領域番号 |
18592389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 高知女子大学 |
研究代表者 |
嶋岡 暢希 高知女子大学, 看護学部, 講師 (90305813)
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研究分担者 |
中野 綾美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (90172361)
長戸 和子 高知女子大学, 看護学部, 教授 (30210107)
佐東 美緒 高知女子大学, 健康生活学研究科, 研究員 (20364135)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2009
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キーワード | 親子関係 / コミュニケーション / 乳児 / 母性看護 |
研究概要 |
本研究では、言語的コミュニケーション手段をまだもたない乳児期の子どもと、その子どもを育てる両親が、お互いの意思疎通を図り、育児困難感を軽減できるコミュニケーション技術を開発することを目的とし、乳児期の子どもをもつ両親にインタビューによる調査を行った。 その結果、以下のようなことが明らかになった。1~4ヶ月の子どもをもつ両親は、「子どもの泣き」など、子どものニードに対応できず、子どもの行動に変化がみられない状況で困難感を感じているが、その困難な状況でも子どもの変化を期待せず、「状況を分析する」、「他者に委ねる」、「ありのままを受け入れる」などの方法をもつことで重大な困難感に陥らず対処できていることが明らかになった。 また7~11ヶ月の子どもをもつ両親は、発達に伴い行動範囲が広がり、親の意思とは違う行動をする子どもに対し、一方的に子どもをコントロールしようと試み、子どもの行動が変化しない、あるいは親の期待と逆の状況になる場合に困難感を感じていた。その状況において、理想とする親像にとらわれたり、時間の余裕がなく親の思いを優先させようとするコミュニケーションを行っている場合には、親自身が「子どもへの困難感」をいだくだけでなく、「自分自身への失望」や「無力感」をいだく結果になっていた。一方、子どもとの相互作用そのものを楽しみ、親の思い通りには行動しない子どものありのままを受け入れ、その状況を客観的に分析し、子どもの気持ちに近づこうとするコミュニケーションを行っている場合には、親は「悩んでも仕方ない」「うまくいかないことがあって当然」と割り切り、「子どもの変化や成長を喜ぶ」といった視点で子どもからエンパワーされ、「今の自分でOK」という思いや「親として成長した自分」を感じ、エンパワーされていた。 これらの結果をもとに、今後ガイドラインを作成する予定である。
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