当研究の目的のうち、 目的1:配偶者と死別した人の『悲哀の仕事』での体験を記述する及び目的2:「悲哀の仕事」体験の、構成要素と構造を明らかにするについて、先行研究の検討とプレテストをもとに平成18年度に作成した、遺族へのインタビューガイドを用いて、平成19年度に続いて、対象者にインタビューを実施した。 平成18年度から平成20年度の3年間に14名の対象者からのデータが得られた。 インタビューの結果を質的に分析し、 1.配偶者の死について「時間軸」・「夫婦の関係」・「仕事をもつ」・「感謝」・「友達と周囲のサポート」・「子どものサポート」・「配偶者(遺族)の思い」・「故人の希望」・「配偶者(遺族)の非現実的な故人への希望」・「配偶者(遺族)の故人に対する期待」・「配偶者(遺族)が自ら行動できること」・「一人ではできないこと」・「条件つきでできること」・「配偶者(遺族)としてできること」・「身体の変化」・「生活の変化」・「生きる意味」のメインカテゴリーが抽出された。 2.また、配偶者の死によって『変化するもの』として、「つきあいの範囲」、「目に見えないものの価値」、「時間の使い方」、「死後一年間の睡眠状況」、「死後一年間の飲酒量・運動量・食事摂取量・体重」、「身体機能」という6項目が導かれ、 3.悲哀の過程は、「故人の入院中」、「故人の病気を聞いた時」、「セデェーションを開始した時」、「死後一年間」、「死後一年間から現在までの時期」という5つの時期に分類された。
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