今年度は、初年度に行った調査の結果をlnternational Confederation of MidwivesのGlasgow大会で口演発表した。女性はセイファーセックスネゴシエーションをもっと積極的に、男性はそれを拒否しないように教育することが重要であることを明らかにできたことが重要であった。 次に中高生が実際、どのようにピアエデュケーションの中でセイファーセックスネゴシエーションをしようとするかを、ピアカウンセラーの交流学習会“Apeer"にも参加していたA大学院の学生が行ったピアエデュケーションを対象に分析した。 その結果、11の大カテゴリーに分類される行動や認識のパターンが抽出された。それらのパターンと、初年度に行った調査の結果を参考に、大学生ピアカウンセラーを養成する演劇教材のシナリオを作成した。 そのシナリオをApeerに参加してきていたピアカウンセラーたちにロールプレイしてもらい、大学生たちの現実や言葉に近いものに修正し、演劇教材として完成した。 上述したように、女性のコンドーム使用要請を聞き入れないこともある男性に対し、女性がネゴシエーションできるようになるための訓練が性教育の中には必要である。中高大学生が実際のネゴシエーションの場面で示した言葉や行動を、演劇として見たり、実際にロールプレイとして性教育の中で練習することで、実際のネゴシエーションに役立つと思われる。 この教材で大学生のピアカウンセラーをまず、教育、養成し、彼らが演劇やロールプレイをできるようになることで、ピアカウンセラーとして次に中高生の教育に応用してくことができるものである。
|