• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

抑うつ状態の患者に対する看護師の共感技術促進モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18592409
研究機関順天堂大学

研究代表者

上野 恭子  順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (50159349)

研究分担者 西川 浩昭  日赤赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (30208160)
山川 百合子  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (40381420)
岡本 隆寛  順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (60331394)
小谷野 康子  順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (50307120)
立石 彩美  順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (00514861)
キーワード共感的援助 / 測定用具開発 / 看護師 / うつ病患者
研究概要

【研究の目的】共感は看護師にとって重要な概念であるが、特にうつ状態にある患者に共感しにくいということが予備研究で示唆された。そこで、看護師の共感の程度を定量的に測定する尺度を作成後、一般患者やうつ状態の患者に対する共感の程度を測定し、看護師の属性要因との関係を明らかにすることで、共感技術の促進モデルを検討する。【方法】H20年度の研究結果を基に5件法18項目の「看護師の共感的援助測定尺度,ENB」を作成した。総合病院や精神科病院などの16施設に勤務する看護師を対象にENB、アイデンティティ尺度、自記式質問紙を配布し、留め置き法で回収した。対象者には、うつ状態の患者を想定した場合とそれ以外の患者を想定した場合について2回のENBの回答を依頼した。【結果】(1) 有効回答数1005人(回収率79.7%)、平均年齢34.8歳、看護師経験年数10.6年、女性906名(90%)、スタッフナース839人(84%)であった。(2) ENBを確認的因子分析で精錬した結果、14項目となり、4因子が確認され、因子間相関が0.5前後と中程度の強さが認められた。Chronbach α係数は0.85であり、外部基準尺度間で基準関連妥当性も確認された。(3) うつ病患者を想定した共感性はそれ以外の患者の場合より有意に低く、精神科看護師は外科系看護師より有意に高かった。50歳以上が20歳代と比較して有意に高く、職位では看護師長はスタッフより高い傾向にあった。看護師のアイデンティティ得点との間には0.28の弱い相関が見られた。【考察】看護師の共感は、看護師の患者に対する態度や価値観などを基本として、患者に注目し、意思を確認しながら患者の体験を感覚的に感じて援助内容を判断するという援助過程に沿ったプロセスであり、共感的援助が看護師の共感として考えられた。うつ状態の患者に対する共感的援助は、看護師にとって困難さを伴い、年齢が高く自己への信頼が形成されていることがうつ病患者への共感的援助に影響していると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 看護師の共感的援助の過程と影響する要因の検討2009

    • 著者名/発表者名
      上野恭子, ほか4名
    • 雑誌名

      日本看護医療学会雑誌 11

      ページ: 8-16

    • 査読あり
  • [学会発表] 看護師の共感性コミュニケーション尺度の開発―妥当性と信頼性の検討2009

    • 著者名/発表者名
      上野恭子
    • 学会等名
      第29回日本看護科学学会学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉)
    • 年月日
      2009-11-28

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi