研究課題/領域番号 |
18592411
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
田高 悦子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30333727)
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研究分担者 |
河野 あゆみ 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00313255)
山本 則子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (90280924)
岡本 双美子 大阪市立大学, 医学部, 講師 (40342232)
国井 由生子 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80376417)
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キーワード | 一人暮らし男性高齢者 / 都市部 / 農村部 / インタビュー / 自立 / ケアニーズ / サービス / プログラム |
研究概要 |
本研究の目的は、地域特性の異なる「都市部」と「農村部」における一人暮らし男性高齢者の自立支援に向けたプログラム開発と評価を行うことである。研究全体は3ヵ年計画であり、2年目である今年度は、一人暮らし男性高齢者の自立に関するニーズの枠組みを作成することを目的とした。研究対象は、都市部(関西圏)、(都市近郊)農村部(関東圏)に居住する一人暮らしの男性高齢者(プライマリーインフォーマント)、各々10名、計20名ならびに日頃一人暮らしの男性高齢者と関与の深い専門職(キーインフォーマント)各々7名、計14名である。研究方法は半構成的インタビューを用いた質的帰納的アプローチである。本研究は横浜市立大学医学部倫理委員会における承認を得て実施された。研究の結果、一人暮らし男性高齢者の自立に関する主なニーズは、「セルフケア」ならびに「交流」にかかるニーズであり、まず、セルフケアについては、両地域で「食と栄養をはじめとする基本的日常生活の維持」にかかるニーズが実在する一方、それらについて都市部では自ら表出し、かつ充足するための社会資源や情報の活用について能動的態度であるのに対し、農村部では自ら表出しにくく、かつ社会資源等の活用等について受動的態度であるという特性が抽出された。また、交流については、両地域で「健康上の不安」や「孤独感」が実在する一方、都市部では集まりの場に出かける積極的な理由が必要であって、かつ人との関係性には一定距離を保ちたいという特性があるのに対し、農村部では集まりの場に出かける手段が整備される必要があって、かつ人との関係性は地縁・血縁を考慮する必要があるという特性が抽出された。今後は、これらのニーズの枠組みと地域特性を勘案した具体的な支援プログラムの開発とその評価が必要である。
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