今年度は、本研究課題の第2段階に位置づく服薬アドヒアランス尺度開発に向けて本調査を実施した。 研究実施場所は、関西、北陸、九州の精神医療施設5施設とした。 データ収集では、前年度作成した94項目からなる服薬アドヒアランス質問紙と既存の自記式および他記式質問紙を使用し、test-retestを実施した。目標サンプル数100名のところ、今年度の段階で協力の得られた対象者の特性は、88名(男性57名、女性31名)、平均年齢48.3歳(SD=13.4)、平均罹病期間18.6年、平均入院回数4.7回であった。なお、データ収集は、現在も継続実施中である。 中間解析結果では、項目分析によると天井効果とフロア効果がみられなかった項目はわずか15項目であった。また、この15項目を因子分析したところ4因子構造が得られた。来年度は、現在継続して収集しているデータを加えて再分析し、尺度の完成を目指す。
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