研究課題/領域番号 |
18592416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
三輪 眞知子 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10320996)
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研究分担者 |
金子 仁子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (40125919)
渡邊 輝美 静岡県立大学, 短期大学部, 講師 (80301711)
伊藤 純子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10436959)
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キーワード | 子ども虐待 / 予防 / 母子保健活動 / 乳幼児期 / 保健師 / 家庭訪問 |
研究概要 |
【目的】地域で行われている保健師による乳幼児期の虐待予防活動の活動実態及び工夫、その中での保健師の役割や困難点を把握し、乳幼児期の虐待予防の課題を明らかにする。【方法】全国の市町村保健センター2,516箇所を対象に郵送による質問紙調査を行った。調査項目は、子ども虐待の視点に力を入れた家庭訪問の有無、家庭訪問における子ども虐待発生予防を視野に入れた観察、ハイリスク親子の判断基準、ハイリスク親子の把握状況などである。【倫理的配慮】浜松医科大学医の倫理審査会で承認を受けた。【結果】調査票の配布数は2,516箇所で回収数は606箇所であった(回収率24.0%)。今回は家庭訪問(以下訪問と略す)を中心に分析を行う。虐待予防の視点に力を入れた訪問「あり」316件(52.1%)、虐待予防を視野に入れた観察を家庭訪問時に「している」511件(84.3%)、訪問時の観察項目は保健師間で共有「している」104件(20.4%)、「していない」291(56.9%)であった。訪問後のハイリスクの判断は「保健師個人で判断」176件(29%)、「カンファレンスで判断」372件(61.4%)、訪問で保健師間共通したハイリスクの親子の判断基準「あり」91件(15%)、「なし」496件(81.8%)であった。訪問後フォローしているハイリスク親子の集計「している」143件(23.6%)、「していない」436件(71.9%)で、1年間の訪問後フォローのハイリスク親子の実数は946から0まであった。訪問は子ども虐待予防の効果が「ある」516件(85.1%)、「わからない」62件(10.2%)、「あまり感じられない」18件(3%)であった。【考察】保健師は約半数が虐待予防の視点で特に力を入れている訪問があり、8割以上が虐待予防を視野に入れた観察を家庭訪問時にしていることが明らかになった。この事から子ども虐待予防に家庭訪問は重要であると保健師は認識していると考えられる。しかし、訪問時の観察項目の共有化がなされていない、ハイリスク親子の判断基準がない、フォローしているハイリスク親子の集計をしていない、など客観的、普遍的な観察項目や判断基準の策定、活動評価は課題があると考えられた。
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