本研究では、(1)血液検査の結果から自分の健康実態を認識して関心を持たせる教育に加えて、(2)生徒相互での血圧測定実習を通してさらに自分の健康に対する興味関心を引き出し、生活習慣病を自らの課題として捉えさせて、(3)健康意識の変化と健康行動の変容をもたらして適切な生活習慣の確立へと導くことおよび(4)その健康意識の変化と健康行動の変容について追跡調査を行って評価をするという新たな生活習慣病予防教育プログラムを開発することを目的として研究を実施している。 本年度は、昨年度までの研究成果を踏まえ、生活習慣病予防教育プログラムをさらに改善し、単に生徒自身の安静時および運動後の血圧・脈拍測定からの気づきだけではなく、グループの仲間同士のディスカッションの時間を設けたり、それをクラス全体に発表して「学びを共有」した。その結果、安静時及び運動負荷後の血圧・脈拍測定と生活習慣病予防の授業後のアンケートでは、「自分の血圧値に興味・関心を持った」97.7%(H.19年度92.8%、H.18年度84.3%)、「血圧測定の結果や生活習慣病予防の話を聞いて興味・関心を持った」71.6%(H.19年度66.4%、H.18年度54.1%)、「これからの生活で気をつけようと思うことがある」91.2%(H.19年度93.4%、H.18年度76.7%)であり、より生徒が自分自身の健康に興味・関心を持ち、自らの生活習慣を見直し、その改善策を自分自身で見出すことにつながったと考える。 今後は生徒の血液検査、健康意識と健康行動の調査、生活習慣病予防教育等を行い、適切な生活習慣の確立に向けての継続的な支援活動のあり方についてさらに検討する予定である。
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