研究課題/領域番号 |
18592422
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
末弘 理惠 大分大学, 医学部, 助手 (30336284)
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研究分担者 |
三重野 英子 大分大学, 医学部, 教授 (60209723)
横山 哲代 大分大学, 医学部, 助手 (40404389)
浜口 和之 大分大学, 医学部, 教授 (60180931)
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キーワード | 耳のケア / 在宅看護 / 在宅高齢者 / 要支援・要介護高齢者 / 通所サービス / コニュニケーション |
研究概要 |
本研究の目的は、在宅で生活する要支援・要介護高齢者(以下、要援護高齢者)の耳のケアニーズを明らかにすることである。 本年度は、在宅要援護高齢者のうち介護度が低い通所サービスの利用者を対象とし、耳のケアに関する調査を実施した。調査対象は、通所サービス3ヶ所の65歳以上の高齢者のうち、(1)現在耳疾患なし、(2)同意が得られることに該当した108名。このうち、聴力検査ができかつ耳疾患既往なしの該当者83名を分析対象とした。調査項目は、耳垢蓄積、関連因子、日頃の耳のケア、聴力、コミュニケーション能力である。 本報告は、調査項目の記述統計を示す。 対象の背景[関連因子]は、平均年齢83.3±6.7歳、女性63名75.9%男性20名24.1%、介護度は要介護度143名51.8%、要支援26名31.3%。バーサル・インデックス91.4±11.3点、NMスケール44.0±7.3点、老研式活動能力指標7.0±3.5点、上肢機能に両側障害の者12名14.5%であった。耳垢の性状は湿型耳垢32名38。6%、乾型耳垢51名61.4%であった。 耳垢蓄積の状態は、4段階院全閉鎖・1/2閉鎖・1/3閉鎖・閉鎖なし]判定し、両側閉鎖なしが22名26.5%、両側が1/2閉鎖もしくは完全閉鎖が9名10.8%、両側完全閉鎖はなかった。 耳のケアは71名85.5%が必要と答え、77名92.8%がケアを行っていた。このうち、自分でケアする者が73名94.8%、ケア時期は「気持ち悪い」「気が付いた」が各41名53.2%であった。ケア物品は、耳かき50名64.9%、綿棒24名31.2%、指7名、マッチ・爪楊枝各3名、ティッシュ、爪、釘の頭、爪楊枝に脱脂綿を巻く等各1名。頻度は月数回16名20.8%、年数回15名19.7%、週1回14名18.2%。耳のケアに満足しない者は13名16.9%であり、その理由は「うまくとれない」「もっと手入れをしたい」「指が不自由でとれない」等をあげた。 聴力は、気導聴力[4文法]が右側42.3dB左側44.4dBであった。 コミュニケーション状態は、人と話すことが好きと答えた者が61名73.5%、日常生活に支障がある内容は「テレビの音が他人の聞こえる音量では聞こえない」31名37.3%、「騒がしい時、会話が聞こえない」39名47.0%等があげられた。 次年度は、対象数を増すため本調査を継続し、さらに介護度の高い在宅要援護高齢者約10名へ調査予定である。
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