研究課題/領域番号 |
18592422
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
末弘 理惠 大分大学, 医学部, 助教 (30336284)
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研究分担者 |
三重野 英子 大分大学, 医学部, 教授 (60209723)
溝下 順子 大分大学, 医学部, 助教 (90457614)
浜口 和之 大分大学, 医学部, 教授 (60180931)
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キーワード | 耳のケア / 在宅看護 / 要支援・要介護高齢者 / コミュニケーション / 訪問看護 / 在宅高齢者 |
研究概要 |
本研究の目的は、在宅要支援・要介護高齢者(以下、在宅要介護高齢者)の耳のケアニーズを明らかにすることである。今年度は、介護度が高い在宅要介護高齢者へ、耳のケアの調査を実施した。 対象は、訪問看護の利用者65歳以上うち、現在耳疾患がなく、要介護度3〜5で同意を得られた11名。調査項目は、耳垢蓄積、関連因子、日頃の耳のケア、聴力、コミュニケーション能力であり、研究者が自宅へ伺い調査した。 対象の背景は、年齢[中央値]80(min.-max.66-93)歳、男性7名、要介護3・4が各3名、要介護5が5名。バーサル・インデックス20.0(5-80)点、NMスケール37.0(4-49)点、2分間のガム咀嚼回数(n=8)143.5回、上肢機能障害は両側5名左側6名。耳垢性状は、湿型5名乾型6名。耳垢蓄積の状態は、外耳道閉鎖の状態を4段階[完全閉鎖・1/2閉鎖・1/3閉鎖・閉鎖なし]で判定、両側閉鎖なし3名、両側が1/2閉鎖もしくは完全閉鎖1名、両側完全閉鎖0名。聴力検査(n=8)は、気導聴力[4分法]右側25.1(10.0-43.8)dB左側26.9(16.3-45.0)dB。コミュニケーション能力は、話しが好き6名、話し相手がいない2名。生活の支障は、「雑音があると会話を聞き取れない」5名、「TVの音量を上げても聞えない」「他人が聞き取れる音では聞こえない」各1名。耳のケア(n=9)は、ケア者が本人5名、家族4名、訪問看護師2名、散髪屋1名。ケアする時は、かゆい7名、月数回4名。満足してない1名は、「耳の感覚がない。痛い。」を理由としたが、外耳道は異常なかった。訪問看護師は、「痛がる」「耳毛が多く取りにくい」とケアに困っていた。介護者(n=9)は、5名が耳かき、綿棒、ヘアピン、ピンセットを用いケアを行い、工夫点は「痛がるので入口だけ」「手前だけ拭取る(かゆみが治まる)」「ピンの曲がりを使う」、困った点は「動く」「(左側臥位が多く)左側が取れない」であった。 本調査は、介護者や訪問看護師が耳のケアに困っている実態が明らかにされた。報告書では、在宅要介護高齢者の耳のケアの実態について、介護度との関係や事例について分析する。
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